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バックライトユニット

バックライトユニットとは何か

液晶ディスプレイにおいては、液晶はフィルターの機能(光のオンオフのシャッターのような機能)しか持っていません。自分自身で光を出せるわけではありません。 そのため光源が必要となってくるのです。 バックライトユニットとは、主に液晶ディスプレイにおける光源を指します。

バックライトには大きく分けてエッジライト方式と直下型方式の2つの方式があります。以前の液晶テレビのバックライトには、CCFL(冷陰極蛍光管)と呼ばれる蛍光灯のようなものが用いられていました。しかし最近では薄型化が可能で消費電力も低いLED が使われています。

➀エッジライト方式
エッジライト方式は導光板方式ともいいます。ディスプレイの端にLEDがあり、その LEDが出す光を、導光板、拡散フィルム、プリズムシート、反射フィルムを使って面状の光に換えてから液晶に送る方式です。 
スマートフォン、タブレット、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターには、通常このエッジライト方式のバックライトが採用されています。

②直下型方式
直下型方式は、LEDを液晶の下に並べたその上に拡散板を置いて面状の光源を作ってから液晶に光を送る方式です。液晶テレビではこの直下型方式のバックライトユニットが使われています。多くのLED があるため明るさのコントロールが非常に細かくできるのが特徴です。
しかし大量のLED を使うために、本体が厚くなる、値段も高価になるという傾向があります。TV用途ではローカルディミング機能(明るい部分のみLEDランプを点灯し暗い部分は消灯する機能)を利用してコントラスト比(明暗の比)が良くなるというメリットがあり直下型方式が採用されています。
また近年ではLEDを極小化されたミニLEDやマイクロLEDの登場によりコントラスト比向上の目的でモニター、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンにも直下型方式が検討されています。

光拡散フィルムの貢献

エッジライト方式では、導光板によって面状の光源が作られます。その場合、どうしてもLEDに近いところは明るく、LEDから遠く離れるにつれて暗くなるという状態になります。直下型方式でもLEDがある部分とない部分とを比べると、輝度にムラが出てしまいます。

輝度のムラはすなわち光とムラとなり、製品になった時には大変見にくい画面になってしまうのです。

しかし、液晶ディスプレイのニーズの高まりは、留まるところを知りません。使用される場面も多岐に渡ります。そこで必然的に、より明るく、より省電力で、より薄くという要請も止むことはありません。そうなると、光源であるLEDの輝度も高いものが求められ、もはや導光板や拡散板だけでは均一な光を得ることは困難です。

そこで、導光板や拡散板に付加する形で使われるのが光拡散フィルムなのです。 光拡散フィルムには、光を拡散する樹脂がコーティングされており、光拡散フィルムを通った光は拡散され、より均一な面状の光になります。

反射フィルムの貢献

しかし、バックライトユニットの輝度が高いと、光拡散シートを複数枚使用して光拡散性を高めるか、あるいは1枚の光拡散シートの拡散性を向上させるかのどちらの方法を取る必要が出てきます。

ところが光拡散性を強めると、光の透過率自体は下がる傾向にあるのです。そこでバックライトの輝度を上げずに、液晶ディスプレイを明るくするために使われるのが反射フィルムです。 反射フィルムは、液晶パネルとは反対方向に出された光を反射させて液晶パネル側に送り返すことで光のロスを減らし、 液晶ディスプレイの輝度を向上させる働きをします。
 

ローカルディミングについて

バックライトの制御方法に、部分駆動(ローカルディミング)と呼ばれる技術があります。
この技術はディスプレイの画質に大きな影響を与える技術で、バックライトの輝度をそれぞれの部分で別々の制御を行う方法です。

直下型方式のバックライトユニットでは、先に述べたように液晶パネルの後ろ全体にLEDが配置されています。このLEDをある程度の範囲で別々に輝度のコントロールをすることによって、映像の黒色の部分は輝度を下げ、反対に明るい部分は輝度を上げるという具合に、映像の細部までLEDの輝度を細かく調節することができます。
この方式には、次のような2つの利点があります。

➀純度の高い黒を表現できる
液晶において、黒の表現は一種の弱点です。ところが、このローカルディミングによって、黒色がしっかりと表現できます。黒色を万全に表現することによって、他の色もしっかりと引き立てられて、全体的に引き締まった映像を表現することが可能になります。

②コントラスト比を高くできる
コントラスト比を高くできる、つまり明暗の差が大きくなることによって、メリハリのある映像になり、美しい画像が実現します。

液晶テレビの場合、この方式では構造上どうしてもコストが高くなるため価格も高くなりますが、画質を優先させる場合は不可欠の機能と言えます。

バックライトユニットも「長時間労働」をさせないことが望ましい

液晶ディスプレイは、パソコンやテレビ、スマホだけでなく、装置の管理、建物の監視、工場や店舗での表示等、様々な場面で使われています。特に業務用の液晶ディスプレイは、1日中使用され、休日等でも連続して使用されていることが少なくありません。つまり、バックライトユニットという光源が、休みなく連続稼働しているのです。
その連続稼働ゆえの問題点が、いくつか挙げられます。

➀輝度が低下し色味が変化する
長時間使い続けると、バックライトユニット自身の輝度の低下や他の光学材料が劣化することは避けられません。ディスプレイの輝度が低下したり、色味が黄色に変わったりします。輝度ムラや色味のムラも生じやすくなります。

②黒シミができる
長時間にわたって画面を表示させることで、液晶成分の中に不均一が生じ、その結果として、液晶の駆動不良により画面に黒いシミができることがあります。

③焼き付きが起きる
焼き付きとは、長時間、同一の画面を表示させることによって、その画面の跡がうっすら残る現象のことです。液晶モニターではブラウン管とは違い、焼き付きは起こりにくいと言われています。
それでも長時間にわたって連続しての使用や、高温や低温という厳しい環境下では、同一画面を表示し続けると、焼き付きが発生しやすくなります。


これらの現象をできるだけ回避するために、いくつかの方法があります。
➀こまめに電源をオフにする
電源を切ることによって、それまで進行していた劣化等が一度止まったり、軽減させたりすることができます。

②パワーセーブを使う
パソコン等では、ОSのパワーセーブ設定を行っておくと、パソコンを使わない場合に自動的にモニターをOFFにするパワーセーブ状態にすることができます。そうすると、こまめに電源をオフする場合と同じように、それまで進行していた劣化等が一度止まったり、軽減させたりすることができます。

③人感センサーを利用する
人がいないことを検知して、自動的にパワーセーブ状態にすることができます。

ミニLED、マイクロLED搭載のバックライトユニット

ミニLEDとは、一般的なLEDのチップサイズが300~350μmであるのに対して、100~200μmとチップの面積が小さいものをいいます。さらに次世代の技術として、チップサイズがもっと小さい100μm以下のマイクロLED技術も大きな注目を集めつつあります。

このミニLEDを液晶ディスプレイのバックライトに使う動きをはじめ、車両や照明にも利用しようとする試みが広がっています。
ディスプレイ業界では最近、液晶に代わって有機ELを用いるケースが増えている。有機ELは液晶に比べて、コントラストや色の再現性が高く、自発的に光ってくれるためにバックライトが不要でモジュールを薄くできること、さらには、曲げることができるといった利点があるためです。

ところが、ミニLEDを液晶ディスプレイのバックライトに使用してみると、画面が黒い部分だけバックライトを消灯できるので、コントラストを向上させることができるのです。
ミニLEDのバックライトは、液晶が有機ELに対抗する技術になる可能性が十分にあるのです。

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